当月号は「次なる戦争の勝者を占う」と銘打ち、様々な視点から考察を試みた諸論を収録。
台湾を武力侵攻で脅す中国は「本気か張り子の虎か」、ウクライナに押され気味の露西亜は「それでも侮れない」、米威(イスラエル)戦争でしぶとさを見せた「イランの国威勃興」の背景、等を論じる。又、米国が抱える諸問題、即ち、対中国外交の失策、対イラン戦争の失態、及び核抑止戦略維持の限界等に就いては、自身でオウンゴールを重ねるトランプ政権が癌である点が浮き彫りになる。一方、今後世界の行方を左右する、「AI」及び「戦争新技術」への対応に関する諸提言、並びに、米国の過去軍事行動の反省を「アフガン戦争」で総括する良論が掲載された。
但し、当月、最もセンセーショナルな論稿は、『核の傘に生じた綻び ~米国が提供した核抑止力終焉後の世界~』(ダートマス大学教授ジェニファー・リンド等共著)である。世界に核拡散を容認する同論は、正に驚愕の提案で、被爆国たる我が国民の多くが腰を抜かすに違いない。よくよく研究を要する問題だ。
又、『AIショックを生き抜く方法 ~政治的危機回避の為の政策手引提言~』は、AIが招く大失業と云う不可避の社会問題に焦点を当てその衝撃緩和策を提言。即ち、米国企業経営者達が享受する、ストック・オプション等自社株報酬は、現行、実質無税だが、これを、新たに所得税25%の課税対象とすることで、上場優良企業から年間1千億円(約15兆円)の追加税収を確保、これを労働再配置の費用に充当せよ、との全うな論だ。あらゆる政策提言は、斯くの如く“財源”裏付けを伴うのが当然である。扨て、一方、本邦を顧みるに、その鉄則を公然無視し恥じぬ現行与党政権とそれを許す国民は、世界の笑い者となるのが必至と危惧される処だ。
以下、当月掲載の論稿12編の概要をお届けします。興味深い論稿に就いては、順次、翻訳文を別途掲載予定です。
【当月号掲載論稿概要】
<米国の核抑止力を再考する論稿2篇>
1)『核の傘に生じた綻び ~米国が提供した核抑止力終焉後の世界~』
著者:ジェニファー・リンド & デリィル・G.プレス共著(それぞれ、ダートマス大学の准教授及び教授)
環境変化に応じ戦略も変容余儀なくされるとは云え、公然と核拡散を認める論稿が出現。嘗て米・ソ冷戦時代、世界が東西二分され、米国の核の傘が西側陣営を防衛した。レーガン大統領は「ミュンヘンへの核攻撃はシカゴへの核攻撃と同様」と断言し、安全保障提供者としての責務履行を保した。処(ところ)が、トランプ政権下に今や米国に対する同盟諸国の信頼は大きく損なわれた。更に、核の脅威自体も嘗ての地球規模から現在は露西亜国境地帯と朝鮮半島内の限定地域問題へと矮小化している。そんな中、米国が現実的に取るべき政策として筆者が提言するのは、同盟諸国の自前核開発の支援だ。最早、実効性に疑義が生じた“核の傘”を大風呂敷に広げ続けるより、現実策を取るべきと筆者は提言する。
例えば、韓国に就いては、同国核開発を米国が支援すべしと主張。即ち、同国が核開発を推進し爆弾獲得する迄、同国国境に米軍配備を強化し、移行期間中に生じ得る北鮮からの攻撃を牽制しつつ、韓国が核不拡散条約から離脱した暁に、韓国が経済制裁を受けぬよう外交支援(1990年代後半、印度やパキスタン核保有の際と同様)し、核兵器獲得後の韓国との関係良好化(嘗ての仏、イスラエル、英国向け対応と同様)を図る策だ。或いは、これに代わり、韓国側から米国との核シェアの要請があればそれを歓迎すると論ずる。
自国最優先を掲げるトランプ政権が、米国本土を核攻撃に晒して迄も同盟国を守護するとは到底期待出来ない。斯くして核抑止策が大きな変換点を迎える今、各国が勝手、無際限に核を開発し拡散する儘に任せるよりは、従来米国核の傘に庇護された諸国に対し、米国の合意と監督の元に、その開発を認めて支援するのが得策と主張する。
2)『核抑止が脆くも崩れ去る時 ~戦略的安泰が崩壊する危機の到来~』
著者: ローズ・ガテマラー、元NATO事務次長(2016-19年勤務)
「核の恫喝、或いは抑止力の効果が低下しつつある」との筆者視点は面白い。露西亜・ウクライナ戦争、及び米威(イスラエル)・イラン戦争では、共に核保有国が非核国を攻めあぐねる様子を世界が目撃した。従い、今後、核能力の近代化投資の合理性自体が問われる一方、ドローン等の通常兵器による攻撃のエスカレートが懸念される情勢である、と云うのが筆者分析だ。一方、これ迄、核使用が曲りなりにも回避されて来た背景は、(プーチンの)側近達の諫言、「人類二番目の核爆弾使用者」と云う歴史的汚名を被るのは避けたいとの指導者心理を著者は挙げる。(但し、これらは安全装置として頼るには余りにも心許ないと訳者は考えるのだが)。
<AI問題に関する論稿 1篇>
3)『AIショックを生き抜くには ~政治的危機を回避する為の政策手引きの提言~』
著者:ジェイムス・デイビッドソン & マッシュ―・J.スローター共著。前者はハイテク投資企業シルバー・レイクの創始者、後者はダートーマス大学タック経営大学院教授。
AIによる生産性向上は、産業界のルネッサンスと呼ぶべき破格な恩恵を生みつつある。2030年迄に生産性を10~20%向上させ、米国で凡そ3兆~6兆ドル規模の経済成長(世界規模規模で30兆ドル)を齎すと予測(昨年のマッキンゼー社分析)。一方、負の局面は、米国就労者の労働総時間の内、57%は将来AIに置き換え可能で、その結果、ソフト開発業務で2百万人、顧客サービス業界で3百万人が失業すると試算されることだ。嘗てのグローバル化の波で生じた“チャイナショック”より被害が甚大な理由は、製造業に止まらず産業全体が対象となり、特に若手の高学歴勤労者に影響が及ぶ為だ。この対策に、自社株式報酬に対し所得税を課し財源を捻出し、雇用対策を打つよう政府に提言する。又、同策は、「一般就労者と企業CEOとの給与所得格差」の異常拡大に歯止めを掛ける効果も期待される一石二鳥の案である(この不平等格差は1966年時点で1対20から、2024年には、何と1対281迄に拡大中)。
国家の役割は人民に先立ち将来の憂いに備えることだ。訳者としては、雇用対策以前の問題として、歯止めなきAI開発が人類を滅ぼすことを危惧する立場だが、それは扨措(さておき)、当論は「骨のある具体提言」として評価出来る。一方、翻って見るに、財源裏付けもなく副作用も野放しのまま無節操に総花的17重点投資分野を羅列的に提示して得意顔のどっかの政府は、論者の爪の垢でも煎じて飲むべきであろう。
<中国関連の論稿 3篇>
4)『中国の軍事力優位性は幻影である ~パニックに基づく対応は非生産的だ~』
著者:デニス・ブレア 元米国太平洋軍司令官(1999-2002年勤務)、又、台湾軍年次防衛軍事演習に上級顧問として参画(2003-2007年)
今から5年程前、中国の台湾侵攻に伴う米中軍事衝突は中国が勝利するとの図上演習結果が発表され話題を呼んだ(シンクタンク・ランド研究所試算)。今般、それと正反対の見解が、元米軍指揮官で台湾防衛に関わった軍事専門家から当月号に寄稿された。つまり「今後10年間は台湾側に歩があり、この間中国は武力侵攻に踏み切らず自制せざるを得ない」と彼は見立てる。米軍の非公開情報も勘案した図上演習結果に基づいた分析結果だと云う。要は、現行の中国軍は台湾を完全制圧するに十分な兵力を欠く為、その試みが失敗に帰する作戦は実施出来ないのだ。侵攻発生後、米国支援部隊が他地域から駆け付ける迄の数週間を台湾と周辺米軍連合で凌ぎ切れるか否かが“台湾防衛の鍵”で、それは可能であると結論。従い、「上策」は、先方に現状軍事バランスを冷静に知らしめ、米中の実弾戦(hot war)ではなく、戦いの場は経済と思想の分野に限定し台湾の平和を維持することなのだ、と主張。説得力に満ち、大いに参考とすべき論である。
但し、当論は台湾有事の際、米軍を支援する、台湾、日本、及びフィリピン軍の防衛配備強化を前提とする。即ち、もし事が起これば、日本だけが「僕しらないよ」では済まされない話である点は、我が国国民が重々理解して置く必要がある。
一方、それにつけても、資質を欠く指導者の不用意な発言は千里を走り且つ消え難い痕跡を留めるものだ。著者は、論稿で日本のここ十年来の防衛強化と琉球の海防で中国の太平洋進出を阻止する力量ありと評価した上で、日本国総理が今般、「“台湾有事イコール日本存続危機事態である”」旨を初めて公式に確認した点を論述。斯くして高市氏の大失言が、国際論題で更に上塗りされ既成事実化されるのだった。翻って、本邦対中外交に目を向ければ、旧態依然と、無暗に相手を刺激し続け、自国経済への損傷は一向顧みず、我が国の装備拡大や演習が更に相手を一層刺激する悪循環にハマり込んだ儘の無策放任状態である。この日本の無気力外交は本来、一層メディアと国民から厳重にチェックされるべき事案である。
5)『中国第一主義は失敗する ~取引本位の外交諸策の限界と教訓~』
著者:パトリシア・キム (ブルッキングス研究所 上級研究員)
当稿は彼女の近著『節操なき中国の覇権 ~友好諸国と影響力を求める中国国際戦略の神髄~』からの抜粋(原題『No Constrains:China’s Global Quest for Partner and Influence』)
習近平主席下の中国外交戦略は、「一帯一路構想」、「上海協力機構」の拡大など地政学的勢力図に華やかな波紋を投じた。但し、見方を変えれば、それはトランプ流自国中心の中国版「中国第一主義」に他ならず、自ずとその弱点と限界を持つと筆者は看破する。
今般、トランプ政権下に米国が「世界の安全保障提供者」を降壇する一方、折しも中国は「多国間主義を守護し、途上国の盟主であり、そして公正と平等な国際秩序の守護者」を自称、世界へ名乗りを上げた。西側諸国(カナダ、仏、独、英)も、従来より中国との関係を深めるべしと世論が後押しする傾向がある。
然し、米国が主導した同盟関係に比べ、中国は稀薄な関係に始終する特徴を持つ。その戦略の曖昧さが如実化した事例が、最親密パートナーの露西亜とイランへの有事対応だ。つまり、盟友の戦時危機に際し、武力直接支援を控え距離を置き、飽く迄経済と外交支援に止め、紛争終結の調停交渉の労をとることもない。同策は謂わば見せ掛けの主導力で、リスクとコストを抑えつつ、自己本位に国際社会への足掛かりと賛同を獲得する巧妙な仕掛けである反面、これでは、いざ中国の危機に駆け付ける同盟国もいないだろう。
詰まる処、中国の狙いは、自身は制約を受けずに“いいとこ取り”することにあり、国際秩序の重責を担うつもりが毛頭ない。その正体とは、自身の核心利益に執着する一方、それ以外の諸利害に於いては、盟友や他地域の為に金を出さずに当該域の受益者に責任を委ねる、謂わば、トランプ流の中国版「自国第一主義」なのだ。同戦略の危うさは、中国寄りの友好諸国すらも、約束や資金提供を渋る中国に嫌気し、中国敵対諸国との距離を縮めてリスクヘッジを進め、更に、紛争解決に消極的な中国自身の態度が一層、国際情勢を不安定化させ、結局自身へも跳ね返ってくる点にあると指摘する。
扨て、当稿から、明らかになるのは、実利を最優先し、盟主を名乗って真の仲間なく、台湾一点張りの狭い教義に固執する“張り子のトラ”と云う中国の一面だ。訳者が思うに、これを踏まえれば、綿密な戦略を練れば日中の双方に実利を生みつつ上手に大人同氏の付き合いをする道は無際限に開かれていたに相違ない。処が、軽薄に虎の尾を踏んでみすみす舞台を台無しにした上、厚顔に一向反省なく、関係修復を無責任に放棄し続ける高市政権は、間違いなく戦後最低次元の外交下手政権だ。この事態に黙従するならばマスメディアも長く歴史に汚名を残すことになると危惧される。
6)『中国権力の弱点 ~米国は梃の原理で中国に対峙せよ~』
著者:イーライ・ラトナー&ニック・デイビィー共著。前者は元米国防次官補(2021-25年)、後者は元米海軍諜報官。両名共、現在シンクタンク、マラソン・イニシアティヴ所属。
2025年4月、大統領が得意満面で“米国解放の日”を高らかに宣言し「トランプ関税」発表と共に火ぶたを切った米中貿易戦争は僅か1ケ月で幕を閉じた。一方、米国が晒したこの外交戦略上の悪手の影響は今後数十年間消えることがない。トランプの戦略が致命的に稚拙であった点は、本来、米国が突くべき数多くの弱点を中国が擁していたにも拘わらず、的外れでみすみす敵に塩を送る策を弄した結果、中国の逆襲を喰らい追い詰められた末、更に悪手を重ね惨敗を喫した点だ。今後、この劣勢挽回するには、先方の弱みを標的とし梃の原理を用い、最大効果と牽制力を発揮し対抗することが必要だとし、分野毎に具体的方策と指針を筆者が提言する。冒頭の惨敗とは、云うまでもなく、高圧的トランプ関税策が、中国によるレアアース輸出規制の脅しで敢え無く潰えて撤回に至り、更には中国向け最先端半導体輸出規制緩和等の本来不要な譲歩迄余儀なくされた、この前代未聞のトランプ一人芝居とその慣れの果てを指す。論稿では、中国の弱点を15分野で特定し検討、それを突き交渉の梃とする具体策が提示される。従来、米国と中国はエスカレーションを防ぐ種々のガードレールを相互に尊重し付き合って来た経緯がある。その暗黙ルールを無思慮にひっくり返したのがトランプだ。嘗ての米国一強が崩れつつある中でガードレールすら失ってしまった環境下では、相手を牽制する戦略的研究と準備が特に不可欠と説く。
翻って、本邦政府に於いては、当然斯かる対応は、実は当然、水面下で既に深く静かに考究されていると信じたいが、果たしてどうであろうか?
処で、筆者達の献策には「白日の下に晒されれば、思わず恥じ入るべき行為に中国が手を染めている事実を暴露し、中国を牽制する」案も提示される。当策の狙いは、関係諸国にその悪辣な実態を知らしめ、中国へ幻滅を抱かせ、且つ当の中国には、その汚名挽回に時間と資源を使わせることにある(具体事例は、ウィグル等少数民族抑圧、敵対諸国へのサイバー攻撃、フィリピン排他経済水域での同国船舶に対する中国警備艇の嘗ての嫌がらせ行為、等々)。同策に関しては、米国トランプ大統領の無法狼藉の諸行為を棚に上げる、その二重基準を指摘する向きもあろうが、文化大革命で儒教を既に完全否定した中国政府の振る舞いに対し道徳観に訴えようとの著者達の心意気や頼もしと訳者は支持したい。
<イラン関連の論稿2篇>
7)『中東権力のパラドックス ~米軍の役割を変貌させたイラン戦争~』
著者:デイナ・ストロール、ワシントン近東政策研究所調査責任者。元米国防次官補(中近東担当として2021-23年バイデン政権下に勤務)
ワシントン近東政策研究所は、元来、イスラエル(威)親派のシンクタンクだ。今般のイラン戦争に関し、第二次大戦後、米威両国による初の共同軍事行動として戦術的実績を残した点を賛しつつ、それを以って補えない程の、大きな戦略的失敗を米国が犯したと糾弾。即ち、トランプは「イラン政権打倒」を目標としたが、政権は存続したのみならず、核開発問題はオバマ合意(2015年)より大幅後退、更にホルムズ海峡を人質に取られた状況だ。更に、湾岸諸国から信頼を失った上、米国はトマホークを10年分一気に消耗、次の戦争を戦うに支障を来す状況だ(トマホーク製造能力は年産百機に対し、今回1000機使用)。斯くして、米国は、『中東の番人』の地位を自ら失い、敵対諸勢力が一層大胆化することが危惧される。これらを踏まえ、「今後、戦い方を変ずる必要がある」と云うのが著者の主張だ。提言は「国内産業基盤強化、技術開発速度の向上、中東拠点の再構成、同盟諸国との協力(弾薬融通を含む)」の推進だ。さもないと、中東諸国は米国以外の安全パートナーを独自に模索開始するだろう。
8)『イランの新たな国家基本戦略 ~再生されたイスラム共和国は中東を再構築する可能性を持つ~』
著者:ナルジェス・バジェリィ & バリ・ナスル共著。(両名共ジョンズ・ホプキンス大学教授)
米国の攻撃に一旦は打ちのめされたイラン。然し、政体転覆を狙ったトランプの思惑はド外れに帰す一方、イランは凄まじいスピードで見事な順応性を、その戦争遂行手法、国家運営、及び社会管理に於いて発揮した。斯くして、この戦争によってイランに新たな勃興が齎(もたら)され、今後、国内強化と周辺国への地政学的影響力を行使する事態が数年間は続くと筆者は見立てる。
今回のモジタバ政権は、イスラム革命を挙行したホメニイ師の第一世代、それを引き継いだアリ・カメネイ師の第二世代に対し、新たな第三世代と位置づけられる。彼らは、革命当時の直接体験を持たない為、宗教思想は薄れ、寧ろテクノクラート(上級官僚)思考と文化に根差し、より冷静でプラグマチック(現実主義)な政策を実行する。換言すれば、第一世代の革命政権、第二世代の硬派国内統制型政権に対し、この第三世代は、今般の戦争の結果、国家色は強いが宗教色の薄い“新イラン共和国”を誕生させたのだ。
然し、これはイランが優しい国になるのを意味する訳ではなく、同国が依然として国民抑圧と世界秩序攪乱を続ける可能性は残る。それは、嘗て20世紀に宗教色を薄め国家利益と国力を重視した、ケマリズムによって共和国発足後に統治されたトルコや、ナセル大統領下のエジプト共和国に類似するだろう。
9)『次に来(きた)る露西亜の脅威 ~ウクライナ戦争後の露西亜軍事力の分析~』
著者:マイケル・コフマン (カーネギー国際平和財団 研究員)
今般、ウクライナが露西亜深部へのドローン攻撃を仕掛け、露西亜が押される展開が出現した。然し、当稿は、露西亜が一見叩かれる事態に至ったとしても、決して同国脅威は霧消せず油断大敵と警鐘を鳴らす。その復活は、直ちに完了するか、或いは長期を要するか、要は時間の問題で、露西亜が軍事的脅威として復帰することに変わりない。無論、ウクライナ全土を征服するのは不可能で、欧州への脅威は限定範囲に止まるものの、概ね5~7年で同国の再軍備が整うと覚悟すべきと主張。何故ならば、露西亜は、諸事難題を抱え乍らも歴史上に敗戦や衰退期にも軍拡を実施した底力に加え、依然、核大国として戦術核・戦略核と通常兵器を合わせた幅広い紛争対処力を持つからだ。
尚、論稿中、同国防衛費を購買力平価で換算比較する件は興味深い。即ち、2026年度の防衛予算(名目ルーブル建)を単純ドル換算すると1千800億ドルだが、物価を考慮した“購買力平価”で換算すると約3倍の4~5千億ドル相当に評価され、これが財政難の状況下にも同国々防費が枯渇しない一因なのだ。購買力平価は、既に人口に膾炙する“マクドナルド・ハンバーガー”の販価を各国比較する概念だが、露西亜の場合、殊(こと)、防衛分野に於ける物価が米国に比べ1/3程度と云う実態を示唆している。背景は、「大砲とバター」の配分に於いて、軍備に資源を傾斜配分する同国政策の賜物かと推測される。
処で、視点を転じ“国内総生産(GDP)購買力平価”の国際比較に注目してみる(OECDが同値公表)。すると同基準で日本と露西亜の経済規模を比較した数値は一考を要し、捨て置けない。つまり、ソ連崩壊後の1992年、露西亜のGDP規模は日本の60%に過ぎなかったものが、2025年には103%と逆転されてしまったのだ。この意味するところは、この間33年を経て、為替と物価政策に関して云えば、その手腕は露西亜政府の方が日本より遥かに勝った事実を示している。日本政府と日銀はこの点を猛省すべきだろう。
10)『大陸国家 vs 沿岸国家 ~来るべき新たな国際秩序を決する戦い~』
著者:マイケル・ベックリー、ハル・ブランズ共著(前者はタフツ大学准教授、後者はジョンズ・ホプキンス大学院特別教授)
「“大陸”対“沿岸”」の構図で地政学的闘争が展開されて来たのは歴史が証する処だ。ユーラシア中央大陸から勃興した覇権勢力に対し、沿岸諸国が広く地域を防御し対抗する図式が繰り返された。現代の大陸勢力とは、中国、露西亜、イラン、北朝鮮、ベラルーシ、及びミャンマーの独裁諸国、対する沿岸勢力は、米国、英国、北米大陸、欧州、そして東亜細亜だ。そして、近来の特徴は、ユーラシア大陸勢力は、独裁諸国が“緩い”提携関係を結びつつ、多彩な手段を保持し(核、弾道ミサイル、サイバー攻撃)、今や米国領土直接攻撃も可能な点だ。これに対し沿岸勢力は、従来、米国主導の強い提携力と大陸陣営に勝る経済と技術力を保持したが、今般、第二次トランプ政権下に対米不信感と不協和音が諸国間に発生。即ち、大陸勢力を牽制するには米国の関与が不可欠であるにも拘わらず、国内に閉じ籠り、欧州から撤退を示唆するトランプを批判し、今や、沿岸陣営は、その結束力を再強化出来るか、或いは分散し弱体化するか、岐路に直面すると筆者は論ずる。
11)『将来の軍事戦争に米軍が勝利できない理由 ~米軍の優位性を脅かす新技術の台頭~』
著者: ポール・シャーレ シンクタンク「新アメリカ安全保障センター」副所長。米国防相勤務(父ブッシュとオバマ政権下)。米陸軍に従軍、イラク、アフガニスタン戦争に参加。
新技術の台頭が戦争の勝敗を決する局面に世界は今直面する。1588年、アルマダ海戦でスペインの無敵艦隊が兵力に劣る英国海軍に撃滅されたのは、前者が敵船に横付けし斬り込む旧戦術に固執する一方、後者が“大砲”の新技術を導入した為だ。今日、ウクライナ戦争とイラン戦争に象徴される通り、小国或いは非国家体ですらも、体重以上の効果的パンチを繰り出すことができるのは、ドローンやAIの新技術のお陰だ。米国は世界No1の軍事力を保持し、冷戦以降これ迄数々の技術を主導した(コンピューティングシステム、ステルス性、及び衛星GPSシステム活用による精密攻撃、等)。然し、この新時代への対応を誤れば将来の戦争に勝利できないと警鐘を鳴らす。
ドローン兵器の生産能力は米国が後塵を拝する分野だ。同兵器の非対称的破壊効果は、安価大量生産体制の確立によって極大化される。ドローンは本来ラジコン愛好者玩具として発達した経緯からその生産能力は中国が世界を圧倒、イランと露西亜も急速に増産体制を築く。遅れ馳せ乍ら、米国は挽回策として現行生産能力5万台から2027年に35万台へ拡大を意図(国防省計画)。僅か数年内で年間400万台体制を敷いたウクライナの根性を見習い、同計画実現に邁進すべし、と筆者は喝を入れる。
一方、AIに就いては中国による模倣が問題だ。戦争技術は開発後約3年で追いつかれ、略(ほぼ)互角になる法則がある。その上、AIモデルに就いては中国が僅か3ケ月でより安価に真似る能力を保持する。従い、AI開発に必須なコンピューター力を支える先端導体と同製造設備の対中輸出規制が重要であり、AIモデル模倣対策は、そのコピー版の生産に要する期間を、3ケ月から18ケ月に遅延させる丈でも、米国は優位な立場で勝負できる(この観点に照らし、今年1月にトランプ政権が突如、不用意に最先端チップ-NビデアH200モデルの対中輸出解禁したのは致命的失策と批判)。
又、軍需用AI開発には民間との提携が必須。従い、国防省とシリコンバレーとの間に生じた諸確執(*注1)を筆者は懸念し、国防省は民間との間に懸け橋を渡せと主張する(焼き落とすのでなく)。
(後注)
*注1:アンソロピック社は「大量監視と強力自立型AI兵器に対する規制」を主張。グーグル社とオープンAI社の従業員は「軍需業務を拒否する」共同声明発表。グーグル社員600名は「軍向けの極秘作業には一切関与すべきでない」との公開書に署名した(2026年4月)。
*注2:筆者は当時話題になった『AI覇権 4つの戦場』の執筆者(原書“Four Battlegrounds : Power in the Age of Artificial Intelligence”2023年発刊)。4つの戦場とは、“大量且つ良質なデーター”、“計算能力(半導体)”、“AI人材”、及び“AIを応用・駆使する組織”の各領域を意味。早川書房より訳出あり。
12) 『アフガニスタン戦争を総括する ~出口を見失った戦争と、その記憶を集団忘却した代償とは~』 著者:カーター・マルケイジアン (米海軍大学准教授)
9/11テロへの報復として、米国が2001年10月7日にアフガニスタン侵攻作戦開始後、その撤収迄には実に20年間を要した(最後の米兵引揚げは2021年8月30日)。著者は米軍人並びに軍司令部付の文民顧問官として2009-14年に掛け諸局面でアフガニスタンに駐留した。著者当人に限らず、退役米国軍人の内2/3が今や「同作戦は失敗」と判定する。それでも、筆者は、やり方次第で、同戦争が勝利で終わる可能性があったと見解。つまり、オサマ・ビン・ラーディンの死を以って作戦終了とすべき処を、その出口を見失ったのが敗因とする。その決断が遅れた背景は、当局は正しく情報を分析する能力を有し乍らも、情報自体が不足し、その判断に際し、タリバン政権に対する過剰なテロ恐怖と米国の面子への拘泥からバイアスを来し、決断を誤ったものだ。
即ち、正しく情報集め、正しく分析すれば、米国本土へのテロ危険は小さいと看破し、もっと早期にアフガン撤収を実現できたことを反省点とする。「後悔先に立たず」で、ベトナム戦争同様、アフガニスタン戦争に於いても、引き際を誤り、兵士の損失を一層拡大させた事実が身に沁みるのだ。戦争の適宜の決断こそが、文民リーダーとしての節義が問われる問題だ。筆者は、今般の無謀・無意味なイラン戦争にアフガン戦争を投影している。
(了)
*当ブログ翻訳文章は生成AI機能一切不使用です。
文責: 日向陸生
【訳者所感】
此処に来て政治荒廃が著しい。高市総理の政権運営の話だ。個別の法案審議もさること乍ら、今般閣議決定された『骨太の方針』内容はペテン以外何者でもない。それは明確な「財政再建放棄」宣言だ。370兆円投資の看板をぶち上げる一方、資金裏付けもない、この謂わば蜃気楼計画を頼りに、名目年率3%の経済成長をカラ約束し、これを以って対GDP債務比率を下げて財政責任を果たします、チャンチャン、と云う訳だ。
同方針は、アベノミクスの焼き直しに外ならぬ。即ち、第二次安倍政権発足後、政府と黒田日銀総裁がタッグを組み進めた異次元緩和―――日本を、存亡の危機と云える、現在の放漫財政下の異常円安に導いた元凶である、「2%の安定的物価上昇」と「低金利下の積極財政」に異名同実だ。今回方針は、成長見通しとして「実質換算で1%成長」を想定、即ち、掲げられた目標値「名目3%成長」を分解すれば「実質成長1%+“物価上昇2%”」と、黒田時代の金科玉条の踏襲だ。
そして、当時、これを以ってしても、アベノミクス成長戦略の矢(民間投資の誘因)は結局飛ばずに失敗した事実を忘れてはならない。
更に、より重大なのは、物価上昇でGDPを水膨れさせ、見せ掛け丈は債務比率を下げてお茶を濁し、本来為すべき財政再建の本質的諸策から完全逃避を図っている点だ。そして、最大の誤魔化しが、同政権の根底に流れ続ける“恣意的低金利”願望だ。その理由は、上辺(うわべ)の“対GDP債務比率減少”の目標達成の為には、名目成長率が名目金利を上回り続けることが机上計算の大前提だからだ(逆に金利が経済成長率より大ならば、債務が膨張し続ける)。
日本の長期金利(10年国債)は現在、2.7%に達し、政策目標の経済成長率3%とは既に僅差だ。黒田総裁時代の超低金利(ゼロ或いはマイナス金利)こそが特異状態であって、平成第一次不況前の本邦長期金利は4~6%であった点を想起すべきだ。又、GDP実質成長率は、昨年2025年度こそ前年比+1.1%を記録したが、3年間平均値で見れば僅か+0.5%だ。斯様に、GDP債務比率圧縮を保する諸条件は死角に満ち、無責任な数字合わせであるのが明白だ。更に加え、この単なる辻褄合わせの世界の中ですら、債務比率圧縮に関する具体的目標値には一切言及せずに煙に巻こうと目論む、不真面目ぶりなのだ。
(尚、『重点17分野』に就いて、抑々官民共同と云う投資形態自体が時代錯誤的である上に、対象領域は恰も圧力諸団体の要望を取捨選別なき儘に単に網羅したリストだ、との批判は、既に各方面の指摘する通りである)
そして何より、驚くのは同方針と国民が求める方向との著しい乖離である。
国民の声は、政府『骨太方針』とは真逆に、列記すれば次の諸事を求めているのだ。
1)物価下落
2)円安是正
3)巨額政府債務圧縮の具体ビジョン
4)所得不平等是正(輸出関連産業vs一般職業、株式投資家vs持たざる人々)
5)適正米価(食)と適正マンション価格(住)
6)人口減少への歯止め
7)環境保全(水資源確保、地球温暖化への歯止め、原子力ゴミ処分問題)
8)政治腐敗防止 (政治家の品質向上)
上記は、何れも、次世代以降未来の日本人達の生活を直撃する課題だ。これらに就いて、「美田を児孫に残すか、残さず今食い尽くすか」を現代人視点の判断に委ねれば、自然と後者が選択されるのが人情だ。本来、その歪みを高い視座から長期に展望して正し、トレードオフの諸難題を処理しつつ最大善を実現するのが政治の役割だ。処が、当今、狭い地元と業界支持の取付けしか視野にない政治家達はその志も能力も低い結果、中央でも地方でも、率先し目先優先で自己本位の行動を挙って露出する有様だ。
例えば、今般、着工表明されたリニア新幹線静岡工区の問題。大井川水脈は日本の将来世代に無傷で受け継がれるべき重大資源である。一度、水量減少等、資源が棄損されれば旧に復さず、その被害を金銭評価し補償してもそれで済まされる話ではない。従って、政府はルート変更か、或いは、懸念を完全払拭する新機軸工法の発明と豊富な類似工事実績(河川の地下1.4Km深部掘削)を見るまでは、譬え百年でも着工延期を命ずべき事案だ。それにも拘わらず、目先の利得を優先し誤った判断がなされた。
また、高市政権が進める「積極経済路線」は社会に分断とリスクを生む。即ち、物価高(インフレ進行)、株高、土地高、金利抑制を容認すれば、片や、パワーカップルと呼ばれる高所得世帯と一般世帯で生活に天地の差が生じる。つまり、前者が都内マンション(億ション)を超長期の50年ローンで購入し、毎月返済後の余資を株式投資すれば、インフレで借金は目減りし、マンションは中古でも資産価値を増し、更に株式投資でひと財産出来る。それに引き換え、賃借生活し、投資資産もない後者は物価高に打たれ首が回らなくなる。もし、この積極路線が永続すれば、前者は我が世の春だが、そうはならない。その理由は、いずれかの時点で後者達の窮乏が限界に達し国が保てないからだ(彼ら全員が国抜けするかトクリュウ化する)。或いは、歴史が示すのは、恐らくその前にバブル崩壊を来す。この場合、経済は大混乱し前者は枕を並べて討ち死に余儀なくされるが、後者にとっては物価が下がり寧ろ暮らしやすい。この二つの最悪シナリヲを回避するには、抜本的方策を必要とするのだ。政府が検討する「消費税暫定軽減」や「給付付き税額控除」の小手先の知恵では解決不可能だ。
政策討議に際し活発有効な議論を風発する為に、「会議メンバーの一人が“未来人”になりきって将来の利害を代弁する」手法が一時話題となった(岩手県矢巾町の町議会発祥で、フォーリンアフェアーズ誌でも紹介された)。もしも、本当に未来人が現代に飛来可能ならば、討議に参加し苦情する以前に、『ターミネーター』のムービー・シナリオよろしく、国の針路を誤らせた指導者達にいきなりアサシン(暗殺者)を差し向けるだろう、とのブラック・ジョークは扨措(さておき)、日本国民が未来人の立場に思いを致し、各自政策を検討することが重要だろう。
今の政治家は“乞食以下”だ
これは何も訳者が偉ぶって云うのではない。孟子の言葉だ。乞食と雖(いえど)も、地面に投げつけられた銭は受け取らぬ、最後に守るべき矜持を持す。それに引き換え、当今の政治家はその本分を忘れた立振る舞いにも一向恥じ入る様子がない。国民の困窮と窮乏と引き換えに、自らの地位を保持し、国庫を乱費し着飾って、将来の国土、国勢、気候を棄損し一向顧みない。歴代の与党も野党もこれに該当する諸氏が多くいるだろう。
今般、高市政権が前述“まやかし”の「骨太方針」を国民に提示して尚、臆す素振りがないのは、物言わぬ日本のマスコミ体制に負うところが大きい。この段に至り、彼女が性懲りもなくアベノミクス踏襲を宣言するのはメディアを舐め切っている証だ。そして、その原因は、2012年以降の安倍第二次政権、そして菅、岸田政権へと引き継がれる中、同政策が様々な弊害を発出したにも拘わらず、メディアは10年以上に亘り、全くこれらを真剣に追及することなく、生ぬるい報道に始終したことにある。ここ十余年の政治荒廃は、その修復に向け、今後数十年、或いは一世紀以上の国民の労苦を代償とするだろう。事、此処に至るに及び「今後マーケットからの評価が注目される」だの「金利の動向に注視を要する」だの、評論家コメントは無意味だ。
報道の神髄は戦場カメラマンにある。然らば、ニュース報道に携わる者は、任務の軽重を問わず、真実の伝達に命を賭すべきなのだ。就いては、日本滅亡へ暴走する高市政権に対しはっきりモノ申し、国を救う為の全うな具体的対案を提示、形成して行くのがメディアの責務ではないだろうか。米国では、近来トランプ圧力に屈しなかった、前パウエルFRB議長、或いは、トランプに立てついて出入り禁止になったホワイトハウス担当記者は節義を曲げなかった手本として尊敬を集めた。一方、訳者の知る限り、この10数年間、日本に於いては、菅首相に睨まれて左遷されたNHK有馬キャスターと、「高市首相は死んでしまえばいい?」と本音を漏らし自らメディア界を去った田原総一郎氏に僅かその例を見るばかりだ。日本には、古来、織田信長の乱行を諫め自死した平手政秀の精神が宿る。業界の奮起を期待したい。
(了)
文責:日向陸生
【当月号論稿一覧 Foreign Affairs 2026年 July/Augst 】
1)『The Broken Nuclear Umbrella ~What Come After Extended Deterrence~』By Jennifer Lind & Darly G. Press (P76-89)
2)『The Strange Defeat of Nuclear Deterrence ~And the Coming Crisis in Strategic Stability ~』 By Rose Gottemoeller (P65-75)
3) 『How to survive the AI shock ~A Policy Playbook to Avert Political Crisis~』By James A. Davidson & Matthew j. Slaughter (P164-177)
4) 『The Mirage of China’s Military edge ~Panic is misguided – and counterproductive~』
By Dennis Blair (P24-39)
5) 『Why China First Will Fail ~The Limits and Lessons of a Transactional Foreign Policy~』By Patricia M. Kim (P151-163)
6) 『The Fault lines in China’s power ~America Must Build―and Use―Leverage Against Beijing~』By Ely Ratner & Nick Danby (P135-150)
7) 『The Middle East Power Paradox ~How the Iran War Will transform America’s Military Role~』By Dana Stroul (P54-64)
8)『Iran’s New Grand Strategy ~How a Remade Islamic Republic Will Reshape the Middle East~』By Narges Najogil & Vali Nasr (P102-117)
9)『The Next Russia Threat ~Moscow’s Military Power After Ukraine~』By Michael Kofman (P40-53)
10)『Heartland vs. Rimland ~The Battle in the War for the Next Global Order~』
By Michael Beckley & Hal Brands (P118-134)
11)『Losing the War of the future ~How New Technologies threaten American’s Advantage~』By Paul Scharre (P8-23)
12) 『The Afghanistan reckoning ~Forever Wars and the Costs of Collective Forgetting~』
By Carter Malkasian (P90-101)
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