【所感】『高市氏の首相としての資質を問う』 (当文章はForeign Affairs誌とは無関係です)

~市場の失望を買った高市政権財政策~

 安倍総理と黒田日銀総裁は共謀し『金利ゼロ世界が永続する前提』と『引き受け先を日銀と国内投資家に限定』する仕組みの上に、赤字国債をたれ流しても財政破綻を免れつつ、債務残高を1,200兆円に膨張させた。

この負の遺産を引き継いだ高市総理の使命は、この危うい状況に正面から対峙し、危機を国民と共有しつつ、最善の解決策を研究し衆議を尽くし、実施することだ。

 国際経済環境は変じた。3年前、ウクライナ戦争勃発を契機に、エネルギー価格を皮切に世界で諸物価高騰、それに従い金利上昇し『金利のある世界』が日本以外では既に普通だ。

 その意味する処は、日本だけが鎖国のように『金利ゼロ世界を永続する前提』は早晩崩れる。然らば、それに備えねばならぬ。金利上昇に伴う利払い費用を抑えるには、当然、赤字国債増加抑制と残高そのものを圧縮する緊縮財政に舵を切るべきだ。

 この期待に反し、高市政権の「“責任”ある積極財政」の発表に世界中がズッコケたことだろう。世界は金利のある世界に戻ったにも拘わらず、相変わらず安倍・黒田治世の異常低金利=円安継続を不抜の大前提と拝み、“アベノミクス”に“サナエノミクス?”を接木する狂気の沙汰だ。譬えるならば、アベノミクスと云う慢性腸チフス菌を退治することなく、更にペスト菌を掛け合わせ毒性を倍化させる日本亡国への道だ。

 高市氏は最後の砦とも云えた、プライマリーバランス単年度均衡すらもかなぐり捨ててタガを外し、旧態以前のばら撒き補正予算を赤字国債で組成した。

 政権当事者や御用アナリストは、ゴタクを並べ、日本国債に対し国際市場の信任は揺らいでおらぬと強弁するが、それは、この瞬間までは、人為的な低金利誘導に伴う異常円安とそれを原因とする輸入物価大高騰で丸5年間、実質所得目減りによって、国民が払い続けた生活困窮と云う犠牲と引き換えの上に辛うじて維持されてきたものだ。

 そのガラス細工のようなバランスは、市場の僅かな反応がきっかけで崩れ、金利急騰を招き英国のトラス・ショックの二の舞になる可能性が大いにある。更に、実質賃金が目減りする中での輸入物価急騰と政府の米価異常高騰放置により一般国民の貧窮と憤懣は限界に達し、「金利正常化と円安是正」を求める声は今後益々強くなる。

 本来のあるべき財政健全化の道を目指さぬ総理に国の指導者の資質は認められない。国会で討議すべきは、表層的物価対策ではなく、赤字国債脱却の道筋、米価凍結、円安是正である筈だ。それを追求しない野党もメディアも、その存在価値を厳しく問われるべきだ。

 中国問題 ~総理の資質を欠く台湾有事に関する国会答弁~ 

「戦後憲政史上、最大の失言が、戦後憲政史上、最も資質を欠く総理の口から出た」と云うのが訳者感想だ。

 外交政治で、不埒な振る舞いをした独裁者に対し「最大限強い言葉で非難する」との政府声明をよく見る。その最も強い言葉とは一体何か。「馬鹿野郎!」か「卑劣漢!」なのか、とても気にはなるが、具体的な説明を求めてその高官をどんなに問い詰めても、その答えは飽く迄「最大限強い言葉」なのだ。譬え、心底“お前の父親はならず者で、お前の母親は売女だ。そしてお前自身は阿呆者だ。”と思っていても、これを口に出せば、国家間戦争になる。

 この外交鉄則を迂闊に犯したのが高市首相だ。覚悟の上でケツを捲るなら結構だが、高市氏はパンツの下ろし時も弁えぬ軽率な政治家だ。

 世間では反対に、執拗に問い詰めた質問者を責める向きがあるが、途方もないお門違いだ。高市氏は海外情報機関設置に熱心と伝えられるが、もしそれが本気なら、苟も、諜報活動に従事する邦人職員に対し「拷問されても、命に代え国家機密を厳守せよ」と訓示を垂れるべき国家最高責任者だ。国会内のしつこい質問程度に口を割る軽さでは全く話にならぬではないか。

 トランプ大統領との電話会談では、どう見ても、「おい、習近平がカンカンに怒ってたぞ、今度、また、下手を打ったらもう、日本を応援しないからな!」くらいの叱責を受けたことは、その直後の高市首相のこわばった表情を見ればおおよそ検討が付く。僅か1ケ月前は、米軍空母「ジョージ・ワシントン」の艦上で、トランプ大統領と腕を組み、ウサギの如く飛び跳ね、日本国家元首として軽さを披露した仲だったのだが。

 会談内容に就いて、高市総理は守秘し、木原官房長官は報道内容を否定した。通常ならば、国民は「そうでしょう、そうでしょう、外交戦略は高度な駆け引きで、とれも我ら庶民の考えの及ばぬ世界ですから、全てお任せします」となる処だが、斯くも見え透いたしらばっくれを見せつけられると、今後の政府発表自身に信を置けなくなる。結局、今回の高市失言は、中国と米国に加え、日本国民に対する信頼喪失と云うトリプル・ダメージを残した。

~中国外務省、劉亜細亜局長ポケット事件~

 個人攻撃をするつもりはないが、金井亜細亜大洋州局長も余りに不用意だった。

 交渉相手がポケットに手を突っ込むのを見たら、「ポケットの中の手で何を握っているのですか?」「因みに、日本国に於いて人前でポケットに手を入れるのは非礼とされますが、あなたの国ではどうですか?」と即座に通訳を介し指摘、通訳が側に居なければ、日本でも英語でも発声すべきだ。これしきのことは、小村寿太郎は云うに及ばず、まともな日本の教育を受けた小学生6年生の級長でも云ってのけるだろう。

 緊迫した両国関係下での相手国往訪である。当然、命の危険も覚悟し一瞬たりとて気は抜けぬ状況だ。カメラが回ろうが回るまいが関係なく、護身感覚とプライドの問題だ。フェイク画像なら無視可能だが、件の映像は今後50年100年、相手国の教科書を飾ることになる。

軽率な上司の失言の尻ぬぐいの為、手ぐすね引いて待つ相手の中にサンドバックになるのを承知で見す見す出向くのだから、誠にご苦労なお役目で同情の余地は大いにあるのだが。

~ストップ・ザ・高市~

 同政権の財政、金融、外交諸施策は方向違いで、同政権が一日延命すれば、日本が一歩亡国へ向かう筋のものだ。男女性別は全く不問だ。能力本位で最も有能な人物を総理に期待する。戦後、GHQの支配下に日本が置かれた際、マッカーサーと堂々渡り合い、先方からも一目置かれつつ日本国益を護持した吉田茂並みの力量が、今の総理には求めれる。

(了)

文責:日向陸生

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